南京大虐殺を取り上げたことが原因で、村上春樹氏の新作「騎士団長殺し」(上下巻)は右翼の人々から批判され、ツイッターなどで不買運動の呼びかけまで起こっているが、発売から3日たった現在も売上部数トップを維持し続けており、すでに重版され発行部数は130万部となっている。
業界関係者の多くも村上氏がこの歴史の黒幕を暴いた行為に称賛の声を贈っている。東京大学の藤井省三教授は、「村上氏は非常に良識のある作家だ。その良識はある一作品の中だけで体現されているのではなく、長きにわたって戦争被害国に対する尊重の念を表現し続けてきた点にある。彼が作品の中で侵略戦争について触れたのはなにも同作品が初めてではない。それ以前にもたびたび日本は謝罪すべきだという考えを明らかにしてきている。また、村上氏は同作品を書く段階ですでにこのような右翼からの攻撃を受けることを予想していたにもかかわらず、毅然としてそれを作品の中に描いた」とした。
南京師範大学の林敏潔教授は「歴史を否定するような見方が広がる日本の中で、読者は村上作品を通して、歴史を認め、尊重し、歴史を鑑とする精神を読み取ることができる」とした。
また、村上氏だけでなく、他にも数多くの日本人作家たちが南京大虐殺を認めている。なかでも代表的なのは作家の本多勝一氏で、「中国の旅」や「南京への道」で南京大虐殺や731部隊などの日本軍による罪を暴いている。
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